医学物理士を巡る最近の状況

医学物理士は放射線医学における物理的および技術的課題の解決に先導的役割を担う者です。これにより、医療の向上と国民健康の増進に大きく貢献しています。本邦の医学物理士は医学物理士認定機構が実施する医学物理士認定試験および認定審査に合格した者です。2017年11月1日現在、1,057名の認定医学物理士が臨床・研究・教育に従事しております。この認定医学物理士の大部分は放射線治療分野で活躍しております。

放射線治療は、さまざまな放射線を用いて主にがんを治療する手法で、手術療法、薬物(化学)療法と並び、がんの三大治療法の一つであります。超高齢化が進んだ我が国においては、QOLの高い放射線治療の必要性はますます増加しております。

放射線治療への期待が高まる一方で、2001年4月に地域基幹病院において放射線治療による誤照射事故が発生し、我が国の放射線治療の信頼性が大きく損なわれる事態が発生しました。その後も外部放射線治療、小線源治療で複数の事故が報告されており、関連学術団体で構成された事故調査団の報告によれば、放射線治療の精度管理を担当する医学物理士の不在が指摘されています。しかし、我が国における医学物理士一人当たりの国民数は156,000人と英国の3倍、米国の2倍以上であり、これらの国と比較すると医学物理士数が不足しております。さらに、医学物理士としての専従従事者は25 %と少なく、このような状況から全国の放射線治療施設で組織として十分でかつ適切な品質管理ができているとは言い難い状況です。

医学物理士が医療現場の第一線で活躍することで、放射線治療の安全性が向上し、高精度放射線治療件数が増え、放射線治療の治療成績が向上し、ひいては国民の健康が増進されることが期待されます。そこで、医学物理士の専門性と責任を明確にしつつ、チーム医療の一員として他の職種との共存共栄の下、放射線診療の適切な管理および安全性向上を図るため、医学物理士に関する国家資格の創設を望むところであります。

医学物理士が勤務する医療機関

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